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Synchro Lab TOKYO ~ もう、サーカスには踊らされない。パンを求め始めた東京民 [episode 1]

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利権独占者たちが自らの権利を放棄することはなく、上辺だけの最小限の改善しか行わないのと同じように、自治体や国の政治家たちは、建設、保険、財政、そしてホテル業の利益を宣伝する傾向にある。大抵の場合、有権者サーカス(=娯楽)と、やがて与えられると約束されたパン(=食料)で満足しようとしてきた。しかし有権者からサーカス(=巨大スポーツイベント)はいらないからもっとパン(=生活の向上)が欲しいと言われたとき、政治家たちは目を覚ますことに迫られるだろう。
[スポーツ経済学者・アンドリュー・ジンバリストの言葉]

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冒頭にお断りしておく。これから始めるストーリーは、あくまでも個人的妄想による東京の近未来シュミレーションである。

 

<202X年春> 
開催まで紆余曲折の連続だった2020年東京五輪パラリンピックも世界中の喝采を浴び無事閉幕。
2016年発足した小池百合子都知事体制(愛称:「チーム小池」)による勇気ある改革が功を奏し、「政治的停滞の打開」という都民にとって何よりも価値ある「オリンピク・レガシー」を手に入れることができた。

 

<2016年晩秋>
東京都は「豊洲新市場移転問題」と「2020年東京五輪施設建設問題」という2つの時限爆弾処理対応に奮闘していた。

(直接の納税者である)都民にとどまらず日本全体が、連日の関連報道を固唾を飲みながら見守っていたことが懐かしい。
小池知事の強力なブレインとして慶応義塾大学総合政策学部上山信一教授を特別顧問に迎え、「都政改革本部」を核に「情報公開調査チーム」「オリンピック・パラリンピック調査チーム」「内部統制プロジェクトチーム」「オリンピック・パラリンピック調査チーム」など各種専門家によるタスクフォースが矢継ぎ早に立ち上げられた。徹底した都政透明化(‘のり弁無き’情報公開)を実現した結果、伏魔殿の内部でうごめいていた悪の連鎖構造が白日の下に晒された。
連日、暴かれた真相のニュースが流れる度、私たちは溜飲が下がる思いがした。

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◎「都政改革本部会議」
【出席者】知事、副知事、関係局長、特別顧問等
○「市場問題プロジェクトチーム(PT)」
【出席者】小島敏郎(座長)/井上千弘/菊森淳文/佐藤尚巳/竹内昌義/時松孝次/森高英夫/森山高至 *役職は全員「東京都専門委員」
○「専門家会議」
【出席者】平田健正座長/専門家3人
○「内部統制プロジェクトチーム(PT)」
【出席者】省内関係各局から複数名、飯塚正史(特別顧問)、上山信一(特別顧問)、加毛修(特別顧問)、坂根義範(特別顧問)、
佐藤主光(特別顧問)、須田徹(特別顧問)、小池達子(特別調査員)
○「オリンピック・パラリンピック調査チーム」
【出席者】調査中
○「都庁マネジメント本部」
【出席者】都知事、4人の副知事、そして各局長等々

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<2017年初春>
利権という名のジグソーパズルのピースが堰を切ったようにボロボロと剥がれ落ちていく。それと並行して、小池都知事が招集した「オリンピック・パラリンピック調査チーム」が直接的な財政コスト3分類(以下①~③)に分け精査。使徒不明なコストを炙り出す。
①運営予算(17日間の大会運営コストと一時施設の設営費) 
②建設予算(恒常的なスポーツ施設の建設費、選手村や放送およびプレスセンターの建設費) 
③インフラ整備予算(道路・駐車場・橋・修景・鉄道・大会に関するその他の施設)

 

▼調査チームの公開した調査報告

17日から34日間の大会に向けて専門施設が作られる場合、それらの施設のいくつかは大会後に有効な利用法を見いだせなくなる。その施設が充分に活用されていなくても、維持費や運営費はかかる。長期的なコストには今後の施設の維持費や運営費、建設時の借金の返済、そしてそこに施設が建設されたことによる機会損失などが含まれる。充分に活用されていない、あるいはまったく活用されていない施設は俗に「ホワイト・エレファント(無用の長物)」と呼ばれている。(2008年オリンピックメインスタジアムとなった北京の「鳥の巣」は代表的な負の遺産である)

 

<201x年>

小池都政がもしも「あの3頭の白い像」たちを檻に入れて封印していなかったら、今頃私たちはパン(=生活の向上)を手に入れられないどころか、命(=血税)さえも捧げる羽目になっていたのかもしれない。

当初予定されていた3か所の新設会場は、すべて代替候補地への振替および既存施設の改修・増築で対応可能という結論に至り、莫大に膨れ上がろうとした建設予算を大幅に圧縮することに成功。会場変更詳細は以下の通りである。
①【変更前】有明アリーナ― (東京都江東区有明一丁目9)
[バレーボール(インドア)会場/落札額-360億2880万円/実施設計・施工者:竹中工務店・東光電気工事朝日工業社高砂熱学工業異業種JV] *2016年当初
⇒【最終決定会場】横浜アリーナ *改修工事

②【変更前】海の森水上競技場(東京都江東区 青海三丁目地先)
[ボート、カヌー(スプリント)会場/落札額-248億9832万円/ 実施設計・施工者:大成建設・東洋建設・水ing・日立造船異業種JV] *2016年当初
⇒【最終決定会場】彩湖(埼玉県戸田市/戸田ボート場隣接地)*改修工事 

(*比較検討の末、「アスリートファースト」を優先し、宮城・登米市の「長沼ボート場会場」計画は見送り)

③【変更前】オリンピックアクティックスセンター江東区辰巳2丁目1番35号/辰巳の森海浜公園)
[競泳、飛込、シンクロナイズドスイミング会場/落札額:469億8000万円/実施設計・施工者:大林組・東光電気工事・エルゴテック・東洋熱工業異業種特定JV] *2016年当初
⇒【最終決定会場】東京辰巳国際水泳場 *改修工事

また、その他競技会場についても「オリンピック・パラリンピック調査チーム」の調査報告書を根拠に適正な代替地への振替、仮設建設費や既存施設改修費の見直しが行われほとんどのコスト圧縮を実現することができた。
当時はマスコミでほとんど報道されることはなかったが、適正な代替地という視点で調査チームがメスを入れた会場もあった。一例をあげると、ゴルフ会場として強引な誘致計画(利権絡みの噂?)が進められていた埼玉の「霞ヶ関カンツリークラブ」(=旧皇族、政治家、財界人が会員として名前を連ねる名門プライベート・コース)も「オリンピック・パラリンピック調査チーム」による厳格な調査に基づき以下の結論に至った。
霞ヶ関CCでの五輪開催は、「レガシーの尊重」というIOCの最重要方針に決定的に反している。したがって、東京都所有のパブリックゴルフ場である「若洲ゴルフリンクス」(オリンピック村から8キロ圏内)へ会場変更することとなった。
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霞ヶ関カンツリー倶楽部の会員名簿の中に、高橋治之氏(2020東京オリンピック組織委員会理事・元電通国際本部長)、竹田恒正氏(2020東京オリンピックゴルフ競技対策本部長・日本ゴルフ協会副会長)、永田圭司氏(日本ゴルフ協会専務理事・2020東京準備委員会委員長)、戸張捷氏(日本ゴルフ協会常務理事・2020東京準備委員会副委員長)などの名が連なり、いずれも慶応高校・大学の卒業生かつ東京五輪大会関連役員であるという共通点がある。果たして偶然の一致だったのだろうか?。今も腑に落ちない。

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会場変更については、当初、関連する国際・国内競技連盟(IF・NF)双方より強い反対、抵抗があった。しかしながら小池知事の強いリーダーシップの下、「アスリート・ファースト(競技者優先)」を重視しつつも、「負の遺産」を都民に背負わせないため「ワイズ・スペンディング(税金の有効活用)」を徹底。あくまでも「都民ファースト」主義を貫く小池都知事の熱い思いとIOC国際オリンピック委員会トーマス・バッハ会長が語るいま重要なのは、スポンサーの喜ぶような17日間の大会のために都市を不格好につくり変えるのではなく、将来にわたって役立つ施設を用意するという選択をホストに認めることだ』というコンセプトが見事に合致し、最終的に関連団体、そしてIOCの理解を得るための礎となった。

また、「築地市場移転」と連動した(オリンピックありきで計画された)「環状二号線」(通称:オリンピック道路)についても、「オリンピック・パラリンピック調査チーム」による費用対効果をはじめとする様々な角度からの検証に基づき、小池都知事は工事中止(白紙撤回)の最終決断を行った。

巷で言われている、「環状2号線は2020年に開催される東京オリンピックにおいて、重要な輸送路になる予定。これが間に合わないと大きな問題です。」「オリンピックに不可欠な重要な輸送路?」「間に合わないと大問題?」・・・本当にそうだろうか?

誰もが納得できる明白な根拠がないこの「環状二号線建設」についても、利権絡みの黒い噂が流れた。

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<環状二号線ルート>に見られる利権模様???

虎ノ門―◆新橋―◆汐留―◆築地(市場敷地内)―◆勝どき―◆晴海(オリンピック選手村)―◆豊洲

(1)「環状2号線の入口」に位置する虎ノ門ヒルズ(家賃:4,300万円/月額)には、東京五輪組織委員会事務所森喜朗会長)がある。組織委は、虎ノ門ヒルズの選定理由について「虎ノ門は、政府機関などと近接し、都庁とベイエリアなどの中間地点に位置しています。 海外要人の訪問も多いため、セキュリティ面を確保する必要があります。総合的に判断して決定しました」(戦略広報課)と答えている。

⇒法外な家賃のカラクリやいかに? 同じ条件でもっと家賃の安い似たような物件はたくさんあるのになぁ?

(2)ほぼ同時期に、春風会/森喜朗事務所は、砂防会館(東京都千代田区平河町2-7-5)からエグゼクティブタワー虎ノ門(東京都港区虎ノ門2-7-16エグゼクティブタワー虎ノ門1201)へ移転している。

⇒引っ越しの理由・・「東京五輪組織委員会事務所と抱き合わせで、自分の事務所はダーターで借りちゃいました!」・・な~んてこと、まさかないでしょうね、森さん?
(3)虎ノ門ヒルズ」、「エグゼクティブタワー虎ノ門」を所有するオーナー会社はいずれも「森ビル」

虎ノ門の大地主・森ビルさん、「環状二号線」開通すれば虎ノ門の資産価値がウナギのぼりでウハウハですよね!?
(4)(都の内部文書より)築地市場を廃止し、豊洲新市場(江東区)に移転させる計画をめぐって、大手不動産会社の森ビルに跡地利用の検討をひそかに委託していたり、
森ビルには都の元技監や都市整備局の局長級OB3人が天下りしていたことも判明。ビルでの役職は、特別顧問、顧問。

⇒大手不動産会社と東京都の癒着?その間の調整役を買ってでる我欲むき出しの政治家? 都庁局長クラスの天下り先として東ガスとの不適切な関係がある。豊洲地区への移転、汚染問題の対応の渦中に、都庁の本局長から東ガスの執行役員に転身した人間がいた点だ。にわかに信じがたいような人事だが、ご本人は現在、練馬区長に収まっている前川耀男氏のことだ。許認可特権をフル活用した「上級官僚天下り劇場」、もはやこれまでか!小池劇場・第二章「東京都庁天下りルートを破壊せよ!」に乞うご期待!

(5)東京五輪組織委員会事務所(虎ノ門)と大会会場(豊洲)を結ぶ「環状2号線」の中間点(汐留)に、東京オリンピックを影で仕切る大手広告代理店・電通本社ビルが「環状2号線」を真下に見おろす高台に建っている。

⇒「オリンピック錬金術、発進!」環状2号線建設で、汐留の土地資産価値が確実にUP!! その錬金術の勝者たちとは?

<参照:汐留地区に土地を所有する企業群>

東京汐留ビルディング森トラスト住友不動産)、▼汐留シティセンター三井不動産/Alderney Investments Pte Ltd)、▼汐留メディアタワー共同通信社)、▼汐留住友ビル(住友生命保険住友不動産)、▼汐留シティセンターパナソニック東京本社ビル(三井不動産/アルダニー・インベストメンツ・ビィーティーイー・リミテッド/パナソニック東京本社/東日本鉄道文化財団 )、▼日本テレビタワー・汐留タワー(日本テレビ放送網/鹿島汐留開発)、▼東京ツインパークス(三菱地所三井不動産住友不動産/東京建物/オリックス住友商事三井物産/平和不動産)、▼電通本社ビル・汐留アネックスビル・カレッタ汐留(電通電通ワークス)・・・etc

 

果たして、利権独占者たちは、「東京オリンピックパラリンピック成功」を錦の御旗に、湾岸エリアを「東京のエル・ドラード」に変えることができるのだろか?

答えは、否である。

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“五輪のドン”こと森喜朗会長(79)
        |
東京五輪組織委員会事務所(虎ノ門ヒルズ=森ビル系列)
        |
森喜朗氏の個人事務所(エグゼクティブタワー虎ノ門=森ビル系列)
        |
築地市場跡地利権(跡地利用の検討委託先=森ビル)ー豊洲新市場(東京ガス跡地)
        |
都職員の天下り先(=森ビル・東京ガス
        |
“都議会のドン”こと内田茂都議(77)

 

・・・そして、(電通はじめ日本を代表する企業が所有する)汐留エリアの資産価値上昇が約束された土地

 

<2017年初春>
「環状二号線」建設中止に伴う輸送インフラ(大会期間中)の代替計画について新たなタスクフォース「オリンピック・パラリンピック推進PT」が立ち上げられた。
「オリンピック・パラリンピック調査チーム」の検証データを元に様々な代替施策が講じられた。[*妄想的代替施策詳細については次回掲載予定]

 

<2020年初秋>
2020年大会期間中に東京に訪れた旅行者数(国内・国外)は微増であったが、大会開催エリアへの流入率は当初想定した数値を下回る結果となった。
過去実施大会での実績が示すように「オリンピックが自動的に観光客の増加につながるという考え方は短絡過ぎて危険だ」という教訓を改めて感じさせる結果となった。
あの時「オリンピック・パラリンピック調査チーム」が下した「環状二号建設中止すべし」提案はやはり正しかった。

 

 

うーん、考えれば考えるほど複雑な利権構造が・・・(-_-;)妄想の域を超え、やたら現実味を帯びてくる。偶然にしては生々しすぎる噂。さて、あなたならどう考えるか?!

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<参考文献:「オリンピック幻想論」(ブックマン社)、「オリンピック・レガシー2020年東京」(ポプラ社)>


▼【YouTube】世界有数のメガポリス「東京」イメージ動画
「TOKYO,TOKYO,TOKYO ! 」 (over 2,000 TITEL)

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