Synchro Lab TOKYO ~ 六本木ヒルズ以降を考える 「“Change Tokyo” 都民最終意識改革試案」

戦後の高度経済成長期以降、都市開発に邁進してきた東京。
これぞ「超・都市TOKYO」と言わんばかりに都内の至る所に大型の箱モノ建造物が建設された。

50年余りが経過し、その耐用年数も限界を迎え始めている。

都内の主要地区では、相変わらず企業の論理で計画された再開発が幅を利かせ、

50年という歳月をかけて築き上げられた風景が、いとも簡単にリセットされようとしている。

この現象をひとりの都民目線で考えてみたい。

東京の再開発は、都民に何を提供するのかグランドデザインが欠けているように思えてならない。

新たに出現する街それぞれの文脈も歴史的背景も感じられず、整然と区画整理された面白味のないが生まれ続けている。

その象徴的な例として、ここでは「六本木ヒルズ」を取り上げてみたい。

(プロジェクト・コンセプトは以下の通り)

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Artelligent City "open-mind" な人をはぐくむ街
経済的な視点に偏りがちだった従来の都市再開発に対する価値観を一新し、真の人間の豊かさや、文化や、対話や、次の時代へのヴィジョンが生まれる都市づくりをする。森ビルの21世紀の都市づくりへの思いを結実させたのが、この六本木ヒルズ
東京に新しい「文化都心」を生み出す、国内最大規模の都市再開発です。メインタワーの森タワー最上層に、美術館、展望台、会員制クラブ、アカデミー・フォーラム施設からなる複合文化施設「森アーツセンター」を配したことがこの街の大きなメッセージになっています。2003年のオープン以来、国内外から毎年4,000万人を超える人々が訪れ続ける六本木ヒルズ。街は成熟を重ね、その磁力はさらに増しています。

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昨今の都心再開発に見られるトレンドは「点から面への開発、そして連坦(再開発を行った同士をつなげる)によって都市軸をつなげる」。

一見、未来都市づくりのあり方として耳障りのよさそうなコンセプト。

果たして本当にそのコンセプトを実現できているのだろうか?

個人的な見解を言わせてもらうなら、それは否である。

例えば、「長い時間をかけて地権者と協議し、理想的な街づくりを成功させた」と多くのメディアで喧伝された六本木ヒルズ

確かに地権者たちには資産価値を高める開発となったかも知れないが、そこを訪れる外部の人間にとっては、嫌みなリッチ感の漂う排他的で面白味のない街と感じた人が意外に多いのではないだろうか?
街の象徴である「ヒルズ族」というワードにも、なぜかバブル臭さを感じ、選ばれた人間のみが徘徊する場所という印象しかない。(あくまでも個人の見解ではあるが)
「連坦(再開発を行った同士をつなげる)」というにはほど遠い都市の再開発の一例である。

都心部における似たような再開発の事例は枚挙に暇がない。

都市再開発の目的が利権関係者のみに収斂され資産価値の上昇を目論む限り、世間はその街に失望し、やがて活力を失っていくことは想像に難くない。
閉鎖系都市開発は、一部の利権享受者にとってはまたとない機会であるのかも知れないが、そもそも「人間は飽きる動物である」。

より魅力的な新しい街が開発されれば、いとも簡単に今まで生活していた街を見捨て、新たな街へと移動する。

人口が減少しはじめた街は、魅力を取り戻すために再び再開発を繰り返す。そして最終的に体力勝負の持久戦に敗れ、大手資本が撤退するや否や、急激に廃墟化していく。

机上の論理で設計された都市は、心臓の弱った人体であり、人口蘇生器で延命措置をされた都市である。

蘇生器が誤作動すれば、すなわち「死」を意味する。

飽きさせない街づくりの哲学は、箱モノを中心とした「ハードづくり」から脱却し、人間を主体とした「ソフトづくり」への意識改革を実行することに尽きる。

都市再開発における哲学もさることながら、直近の話題として注目されている東京湾岸エリア(東京五輪会場主要エリア)一帯の新規開発については更なる哲学的要素の注入が重要となる。

東京五輪という錦の御旗を掲げイケイケドンドンで開発されようとする「なんちゃって開発」は即刻中止すべきである。

近未来都市・東京を創発する実験エリアとして、ヘリテージゾーン(開発し尽された都心)と「連坦(再開発を行った同士をつなげる)」できるかどうかを精査し、実験の目的と想定結果を厳密に定めた開発についてその計画経過を広く開示し進めていくことが肝心である。

そして、そこには決して利権が介在する余地を与えてはならない。

そういった正のストリームを生み出すためにも、小池都政の推し進める「フルオープンな情報開示」が強力なツールとなることは明白である。

2020年東京五輪開催決定を契機に、ひとつひとつの開発案件に対して、都民ひとりひとりが興味を持ち、「この開発は東京の街づくりにとってどんな意味、どんな価値があるのだろうか?」と真剣に考える好機となれば、東京が更なる飛躍を遂げ、未来の都市モデルとなることは決して不可能ではないのだろうか。

真の「都民ファースト」とは、結局のところ都民ひとりひとりが「自分で考え続けること」「過去の常識をリセットすること」「実験をし続けること」「少しの勇気を持つこと」・・・なのかもしれない。

まだ、結論を出すには時期尚早かも知れないが、少なくとも小池都知事が都民ひとりひとりに「自ら選んだ価値観への選択と集中」を行うための動機付けを与えた功績は、近い未来に評価されることになるだろう。


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東京へは もう何度も行きましたね♪
君の住む 美し都♪
東京へは もう何度も行きましたね♪
君が咲く 花の都♪

(「東京」(昭和49年)マイスペース/歌、森田貢/作詞・作曲 より)
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▼【YouTube】世界有数のメガポリス「東京」イメージ動画
「TOKYO,TOKYO,TOKYO ! 」 (over 2,000 TITEL)

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