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Synchro Lab TOKYO ~ 【東京都市再考】 都市の至る場所で、いろいろなコトが狂い始めている。

先日放映されたNHKスペシャル「巨龍中国 1億大移動 流転する農民工 ~中国“大陸改造計画”」を見て非常に驚愕した。

中国政府(共産党)による経済拡大政策の一貫として、中堅都市と呼ばれる全域を一気に再開発してしまうというスケールの大きさ。しかし、その代償として、今までその土地で生活を営んできたすべての人民(主に出稼ぎの農民工)の強制立ち退き。

ひとことで言うなら中国政府は、「人より経済優先」の政策を選択した。

 

番組を通して、大きく膨らんだ勝手な妄想について語りたい。

「中国ほど極端な政策ではないにしろ、都市・東京もいずれは似たような運命を辿るのではないか」という不安に駆られた。

東京における再開発のトレンドは、投資効率を高めたいと願う施主都合による「規格化」「モジュール化」「均一化」に重点を置いた建設が押し進められている。

また、選択する側の市民においても、販売会社が喧伝する一過性の住環境トレンド(将来的な資産価値や世間体など)に翻弄され続け、最終的にはギャンブル的購入に至る。

そこには現代社会の歪みを反映した、「売る側」と「買う側」の絶妙な心理的バランスが保たれている。(*東京臨海部における高層タワーマンションが顕著な例?)

結果として、「点(=人)」、「線(=街)」そして「面(=都市)」へ、均一化した都市景観がアメーバ―のように増幅し続けている。

「コンパクト&クリーン」を目指した都市景観は、あらゆる無駄が削ぎ落され、無味無臭な空間を拡張し続けている。

均一化された都市システム」が定める暗黙のルールからはみ出し、適合できない人間は徐々に排除され、域外へ退場させられる時代の到来。

まるで中国政府が推し進める「大陸改造計画」と酷似してないか?!

 

均一化された都市システム」に適合した人間には、更に過酷な運命が待っている。

厳格に決められたルールの下で、常に周囲の反応に注意・警戒を払い、過剰なストレスを感じながら生活を送る毎日が待っている。ストレスから解放されたければ、自ら場外へ退場することとなる。

 

最悪のシナリオは、都市全域が「均一化された都市システム」に占拠され、退避できる場所(少なくとも人間らしい生活を送ることの出来る基盤が整った場所)が、ひとつも無くなることである。

そして逃げ場を失った人間は絶望し、「自己消滅」あるいは「均一化された都市システム」の従順な奴隷となっていくのである。

 

果たして人間的な生活と言えるだろうか?

新興マンション群で開催されるお仕着せのファミリーイベント、路地裏のない大型ショッピングモール、顔なじみのいない大型スーパー、乳母車を押すひとり暮らし老人、電動アシスト自転車で歩道を暴走する主婦、スーパー特売日に早朝より行列をなす年金老人集団、横幅いっぱいに歩道を占拠して歩く親子集団、・・・等々。

都市の至る場所で、いろいろなコトが狂い始めている。

 

そして街から消滅していく愛着のある風景。

チョークでラクガキ遊びのできる歩道、買い物帰りの主婦たちの井戸端会議、雑木林に囲まれた神社仏閣、常連におまけをしてくれる商店街、顔見知りが集まる銭湯、地元の老若男女が一斉に集う伝統の祭り・・・等々。

すべてが消えた時、都市は息を絶える。

 

向こう三軒両隣コミュニティー」が唯一の希望だった地方の村や町も、ある時期を境に少子高齢化に猛烈な拍車がかかり、やがては消滅する運命にあるのかも知れない。

地方都市が消滅していく未来において、「都市・東京」の盛衰は、「日本の未来」を占う上での試金石となるだろう。

 

不便や不合理をお互い補い、支えあった古き良き“ごった煮”のような街こそ、

人間の目指す理想都市であったのではないか。

カゴに閉じ込められた鳥のように、気ままに空を羽ばたく自由を奪われた人間の営み。

そんな都市の未来を誰も求めてはいないだろう。

 

▼【YouTube】世界有数のメガポリス「東京」イメージ動画
「TOKYO,TOKYO,TOKYO ! 」 (over 2,000 TITEL)

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