東京未来考:「所有型都市」から「シェア型都市」へ


〇都市空間に大きな影響をもたらした都市住民の階層分化について
 
古代から現代に至る都市形成の歴史において、「都市住民の階層分化」は都市空間のパターンに影響を与え続けている。
階層分化はおおむね以下の3つの層によって形成される。
 
<第一階層>富の蓄積を持った豊かな層や固定資産や投資から収益を得ている上流階級
<第二階層>中小商人や特殊な技術を有する職人(テクノクラート)からなる中流階級
<第三階層>(政治・経済的にまったく影響力を持たない)労働者による下流階級
 
以上、3階層の中で政治・経済力を持つ上流階級が古くから密集した中心部の市街地土地を買い漁りはじめ、市中心部にあるマーケット周辺の土地を買占め、今でいうオフィスビルや金融業を始めた。
その結果、職住一体を旨としていた従来の居住パターンは崩れ、住むところを失った多くの都市市民(下流階級)は、郊外から通勤することを余儀なくされた。都市における配置や構成とは全く関係ない「構成要素」を原因とする都市変化の一例である。
 
ここで「都市市民」というひとつの「構成要素」について更に考えてみたい。
結論から言うと、「自然発生的都市」であろうと「計画的都市」であろうと、あらゆる階層の「都市住民」がそこで継続的、安定的に生活することができなければ都市は遅かれ早かれ崩壊へと進んでいくということである。(長い歴史が証明している)
どれほど立派なランドマーク施設が建設されようと、どれほど効率的なインフラが整備されようと、そこに住むすべての「都市住民」がいなくなれば、都市開発は絵に描いた餅である。
 
それではあらゆる階層の都市住民が未来永劫、継続的・安定的に暮らしていける都市になるためには何が必要なのだろうか?
 
私の考えるひとつの視点は、「所有型都市」から「シェア型都市」への構造転換である。別の言い方をするなら、「富の独占」社会から「富の分配(解放)」社会への意識転換とも言える。
 
一部の権力層にコントロールされる資本第一主義に基づいた都市開発に見切りをつけ、住民階層に左右されない持続可能な都市像を創造する。「所有」することで満足してきた愚かさに気づき、「シェア」することの素晴らしさを体験する機会を増やしていくことで、都市住民が主役になる都市づくりを推進していく。

今こそ、「限界都市」から「無限都市」へ、「所有」から「シェア」へ、大きくシフトチェンジすべき時代の到来である。
 
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【参考文献】
・「里山資本主義」(角川oneテーマ21/藻谷浩介・NHK広島取材班:著)
・「東京は郊外から消えていく!」(光文社新書三浦展:著)
・「文化としての都市空間」(千倉書房刊/市川宏雄・著)
・「Wikipedia:『限界集落』」検索結果ページより抜粋
・「シニアシフトの衝撃」(ダイヤモンド社刊/村田裕之・著)
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